インタビューをテープ起こしする際の注意点やポイント

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テープ起こしの案件の中には、インタビューや対談の案件というものが多く存在しています。主に一対一もしくは多対一の形式で行われる会話の内容をとりまとめるのがこの場合の文字起こしにあたるわけですが、このような対話を文字として起こしていくためにはどんなことに注意していけばいいのでしょうか。
 
インタビューにおいてテープ起こしを利用する利点について、テープ起こしを利用してインタビューを文章化する際の注意点やポイントをまとめてみました。

さまざまな場面で行われるインタビュー

皆さんはインタビューという言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょうか。テレビの街頭インタビュー、有名アーティストの私生活についての取材、大学での講演会の中で行われる質疑応答、新商品のPRイベントでの受け答え・・・。多くの場面でインタビューは行われています。
大きく分けてインタビューの分類は評価のためのものと情報収集のためのもの二つに分かれると言われています。われわれがよく目にするインタビューは主に後者のものでしょう。
 
普段テレビなどで目にするインタビューは情報収集のためのインタビューが一般的です。インタビューの対象者、または対象者の関係する組織・物・事象に関する情報を集める時に行われているものがこれにあたります。ここで行われるインタビューの多くは書籍や新聞・雑誌などの出版物、もしくは放送などにより発信され、世の中に出回っていきます。情報を発信していく手段としては非常にポピュラーで、皆さんも日常的に目にしているのではないでしょうか。こうしたインタビューの中ではインタビュイー(インタビューの対象者)は何かしらの同情を求めようとしたり、宣伝しようとしたり、釈明や説明をしようとしたりとさまざまな意図を持ってインタビューに臨みます。
 
もう一つの評価のためのインタビュー、これもまた実はわたしたちの身近でごく普通に行われているものなのです。もっともわかりやすい例としてあげられるのが就職の際の面接です。ジョブ・インタビューとも呼ばれるこの対話の目的は、求職しているその人が職場に適応できる能力を有しているかどうかを評価するためのものです。このようなインタビューは比較的短い時間で終わることが多いようです。このタイプのインタビューで他に例を挙げると、カウンセリングなどの時に用いられる対談形式の質疑応答などもそうで、心理学的な評価のためのインタビューになります。

インタビューをテープ起こしする利点

このようにさまざまな場面で行われるインタビューですが、素のままの情報だと要点が明確になっていなかったり、インタビュイーが何を伝えようとしているのかがいまいち伝わってこなかったりするというケースがあります。そこでテープ起こしの出番がやってきます。そんな面倒臭いことやっていられるか!と思われる方も中にはいらっしゃるでしょうが、実はテープ起こしとインタビューとは実は非常に相性がいいのです。そしてむしろ、テープ起こしを利用する方が大幅に時間を短縮することができるのです。
 
なぜそうまで言い切れるのかというと、その理由はインタビューという会話の形式にあります。
そもそもインタビューというのはインタビュアー(利き手)とインタビュイー(話し手)の二つの立場が存在して成り立っています。インタビュアーはインタビューを実際に見る視聴者や読者が知りたいと思っていることを聞いていきます。対し、インタビュイーはその質問に彼らの立場から答えを返します。その回答によりインタビュアーも手を替え品を替え新たな質問を投げかけていくのです。
 
これがインタビューの基本構造です。互いが互いの目的を持って対話を成立させているのです。インタビュアーは事前にインタビュイーに対する下調べをして、どんな質問をしていくかシミュレーションを行い、30分なら30分、1時間なら1時間余すことなく質問に費やします。しかし、インタビュイーの答えは必ずしもインタビュアーが想定していたものと同じようなものになるとは限りません。質問の軸はぶれてはいけないのでもちろんそこから逸脱しないよう起承転結を押さえて質問していきますが、そのぶん情報量も増えていきます。
 
さらに、インタビュー後はこれを視聴者や読者がわかりやすいようにまとめあげなければなりません。ライティングで記事を作成する際には、テキストにするために音声を何度も再生して1から書き起こしていかなければならないのです。1時間分のインタビュー情報を一つのコンテンツとしてまとめるのはかなり大変な作業ですし、これを共有できるような情報にするには相当手間がかかります。
 
そこで、テープ起こしを利用しインタビューを録音するなどで得た音声情報を文字に起こし視覚的にわかりやすくします。そうすることによって情報が整理され、話の軸や要点が見えやすくなるのです。会話を記事や書面にまとめる際の下敷きとして使い勝手が非常に良くなります。また文章化することによって、紙媒体へ内容を印刷して共有することも容易になります。
テープ起こしを行う利点は情報をわかりやすくするだけにとどまりません。テキスト化されたデータの中からキーワードをピックアップしたり、話の内容ごとにカテゴライズしたりすることによって必要な情報だけを素早く得ることが可能になります。コンピューター上で文書化されたデータをキーワード検索にかけるなどすれば、そのキーワードに付随する情報が手に取るようにわかるのです。
 
インタビュー音声は、余談なども含めなにかと情報が錯綜してしまうことがあるのも特徴です。またインタビュイーは受ける側という特性上どうしても話し言葉になりがちです。発言の合間に入る「あー」や「えー」などの無意味な相槌(“ケバと”呼ばれる)は必要な情報を選定する上で邪魔な存在になってしまいます。これを取り除いて読みやすい文字情報にすること(ケバ取り)や喋り口調を文章として「です・ます」調に書き直し、意味の通るようにすること(整文)もテープ起こしで行うことができます。文字起こしを活用することによって効率的にビジネスを進めていくことが可能になるのです。

テープ起こしをする際のポイント

インタビューをテープ起こしする際にはいくつか注意すべきことがあります。対話形式のやり取りを例にポイントを抑えていきましょう。
まずはこんな一連の会話があったとします。
 
 
例:インタビュアーAとインタビュイーBの対話
平成XX年X月X日
 
A:
はい、えーと、それでは先生にとってオーエーエーの万年筆とはどういったその、一体どういったものなんでしょうか?
 
B:
そうね、あー、まあ、ま、まあ仕事道具なんでね。いろいろやったけどやっぱりこれがね、うーん。これが一番かな。
 
A:
あー、なるほど。えっと、では、どういったところが気に入ってますか?
 
B:
なんていうのかな。あのね、そう。滑りがいい、いいんだよね。ああ後あれね、僕はコンバーターの方が、あー、好きだからさ。慣れてるもの、ものをさ、使うのが一番いいよね。
 
 
このような会話が収録された音声データがあるとします。
もちろん音声なので言葉を噛んだり言い澱みがあったり、「あー」や「えっと」などケバが頻出しています。このままの状態で書き起こしをすると、一般的に素起こしと呼ばれる仕上がりで文字起こしが完成します。ただ、実際の会話の音声を録音して聞いていただけるとお分かりいただけるとは思いますが、話と相槌が被っている会話があることも珍しくなく、全てを書き起こす素起こしの作業量はかなり膨大なものになります。当社も含め、価格が次に記述するケバ取りよりも高く設定されている場合がほとんどです。
インタビューや対談などといった会話を、例えばライティングなどの目的で使用するのであればケバ取りが適しています。
 
 
例:インタビュアーAとインタビュアーBの対話(ケバ取り)
平成XX年X月X日
 
A:
はい、それでは先生にとってオーエーエーの万年筆とはどういった、一体どういったものなんでしょうか?
 
B:
そうね、まあ仕事道具なんでね。いろいろやったけどやっぱりこれがね。これが一番かな。
 
A:
なるほど。では、どういったところが気に入ってますか?
 
B:
なんていうのかな。あのね、滑りがいいんだよね。後あれね、僕は【00:09:20コンバーター?】の方が、好きだからさ。慣れてるものをさ、使うのが一番いいよね。
 
 
ケバ取りを行うとこのような仕上がりになります。余計なケバを取り除くことで話者の言いたいことが明確になり、読みやすい文章になりましたね。ケバを取り除くだけなので、内容の変更や文章の校正などは一切行いません。一番原文に近くかつわかりやすい表記の仕方で書き起こしをしています。素起こしよりも記事に起こす時の作業が格段に楽になり、大幅に作業時間が削減できます。
 
テープ起こしをインタビュー音声などで行う際、会話が被っていたり、話者の滑舌によっては聞き取れなかったりする箇所というのも出てきます。さらに、英語や専門用語の出現するような場合ですとどうしても不明点は発生してしまいます。ライター側も不明語句を文脈やインターネットを使用して明確にしていくのですが、それでも明確にならない点というのも出てきてしまうことが度々あるのです。また座談会などの発言者が誰なのか特定できないような複数名のテープ起こしの場合になりますと、100%完璧に聞き取り、書き起こしていく作業がかなり困難で、不明点が頻出してしまう可能性が高くなります。
そういった場合弊社のタイピングベースでは、例に挙げた「コンバーター」の箇所のように、【00:00:00<単語>?】という形でタイムスタンプを挿入することで対応させていただいております。あとから確認する際に瞬時に不明箇所を発見できるようこのように表記しています。このような不明点は音声データの当事者さまに確認していただけるのが一番確実かと思われますが、お客様からの資料提出やインタビュー概要のご説明によってある程度減少させることも十分可能ですので、ご依頼の際はそういった情報も合わせてお教えいただけると納品までの流れがよりスムーズになりますのでご協力をお願いいたしております。

まとめ

いかがでしたか? テープ起こしをインタビュー記事作成などの際に効果的に利用されると、ビジネスを円滑に進めることが可能になります。弊社のサービスはこういった出版物作成等の補助に特化しています。ライティングなどの手助けに非常に有用かと思われます。
 
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