時間がかかる? テープ起こしにどのくらいの時間を使うべきか

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音声を文字に起こす機会というのは意外と多く存在しています。
ブログや雑誌などの記事を書かれる方、会社で議事録を作る方などであればよく書き起こしをされるのではないでしょうか。
 
録音物を文章化していく上で避けては通れないこの文字起こしという作業ですが、いったいどの程度の時間をかけて完成させていけばいいのでしょうか。
今回は文字起こしの作業にどのくらいの時間を要するのか、またどうすれば効率よくテープ起こしをやっていくことができるのかをご紹介していきます。

テープ起こしの所要時間

文字起こしの作業は、録音された音声を聞きながらキーボードでタイピングしていく作業です。一見単純な作業のように見えますが、その作業難度は想像以上に高いものです。
音声を「聞く」ことと、文章を「書く」ことをほぼ同時に進めていかなければならないので、作業自体かなり手一杯になってしまいます。
 
さらに周囲の騒音や話し手の滑舌など、録音した時の環境などによって聞き取れない単語や聞き取りづらい言葉も出てくるので、そういった音声を書き起こす場合作業時間が伸びてしまう可能性もあります。
特に学術的なもの、専門性の高いものをテーマとして扱っている録音音声では言葉の意味が不明な単語というのも多く出てきます。このような案件ではそういった単語も、テキスト品質の向上のためにインターネットで調べるなどして意味を明確にしていく必要があります。
 
プロの方や慣れている方ならば、タイピングスキルや作業の流れなどをある程度持っているので、そのような要因による作業の遅延を最小限に抑えることができるかとは思いますが、テープ起こしに慣れていない方が書き起こしをする場合は作業時間がかかってしまうことは免れないでしょう。
 
このような点も踏まえ一般的にテープ起こしの作業にかかる時間はテープの再生時間の3〜5倍と言われています。あくまで目安の時間ですが、慣れていない人がやるともっと時間がかかるうえ、労力も相当なものになってしまいます。

書き起こしに割く時間を削る

どうしても時間がかかってしまうテープ起こし。
何度も何度も経験をしなければ短時間で書き起こしを終えるのは難しいでしょう。
どうすればテープ起こしにかける時間を減らすことができるのでしょうか。
 
まず一つ。最も簡単で手間のかからない解決方法。
そもそも文字起こし自体を委託してしまう。
すみません、身も蓋もありませんね(笑)。しかしながらこの方法が一番楽であることは明確です。
 
自分で書き起こしをする必要がありませんから、まずあれやこれやと悩みながら試行錯誤する必要が一切ないからです。
むしろ、社内業務で手一杯だからそこに割いている時間も人員もない! という方はテープ起こし自体を委託してしまうことは効率を考えて当然のことなのかもしれません。内部で完結するほどの余力があれば問題はないのですが、なかなかそううまくはいかないものですよね。
 
一つデメリットを挙げるとするのならば、お金がかかってしまうということ。
時間・人員とマネーコストとをよく天秤にかけてから決めるといいでしょう。
 
では時間や人員に余裕がある場合。なおかつ、テープ起こしは自分たちでやってしまおうと考えている方たち。この場合は当然ながら色々と趣向をこらしながら作業をやっていく必要があります。
経験者やテープ起こしに慣れている人がいればいいのですが、そうでない場合、文字起こしなんかやったこともない、やってはいるがそんなに頻繁にではないという方が文字起こしをする場合はかなり大変です。
 
この記事を見ている方の中にはテープ起こしが必要になった際、自分でやっているという方も少なからずいるのではないでしょうか。前述の通り、テープ起こしは時間がかかり、それだけに注力しなければなりません。
自分たちでテープ起こしやる場合、どうやっていくか。次はそのポイントをご紹介します。

自力でテープ起こしをやる

テープ起こしのスピードを上げるには、以下の項目に気を使っていくことがポイントになります。
 
 
 
①とにかく数をこなす
②タイピングの仕方を考える
③ツールを使いこなす
④録音時にその場に参加する
⑤事前に資料を用意しておく
 
 
 
この5つが大きなポイントになってきます。
では、1つずつ詳しく見ていきましょう。
 
 
①とにかく数をこなす
一番地道ですが、一番効果のあるスピードアップ方がこれです。
テープ起こしの作業スキルは何度も様々な音声を書き起こしていくことによって向上させることができます。やっていくうちに自分に合ったやり方を見つけることができますし、タイピングのスピードも速くなっていきます。
最初は不慣れで時間がかかってしまうかもしれませんが、やっていくうちにサクサク作業できるようになってくるので、めげずに続けることが大切です。
 
 
②タイピングの仕方を考える
現代社会において、ワープロはビジネスシーンやプライベートの連絡など、どのような場面においても欠かせない存在となっています。文字起こしは紙と筆、そして書き記すための言葉が現れた時から存在していると言われています。かつては文字起こしもアナログで、手書きの書面が使われていた時代もありました。
 
しかし現代はパソコン上での作業がメインになっています。タイピングはまさしくテープ起こしの要なのです。
 
まずホームポジションを守るということに気を配ってください。
ホームポジションとは、タイピングをする際にキーボードの上に置く指のデフォルトの位置のことを指します。
この位置を正確に守ることが、タイピングミスを減らすことにつながります。感覚的なところもあるので、徐々に体に染み込ませていきましょう。
 
それに付随して、決められたキーは決められた指でタイプするようにしましょう。型が決まってしまえば自ずとタイピングの速度も上がっていきます。
 
 
③ツールを使いこなす
ショートカットキーや単語登録機能など、使えそうなツールはフルに活用しましょう。コピー&ペーストを筆頭に使用頻度の高いショートカットキーや、頻繁に出てくる単語を単語登録機能で登録していくことによって飛躍的に効率が上昇します。
 
また、音声の再生ソフトの再生速度変更や巻き戻し機能、用意することができるならフットコントローラーなどの機材も有効に活用していくといいですよ。
 
 
④録音時にその場に参加する
テープ起こしをやるには、その録音音声内で一体何が語られているのか、また何について話しているのか、ここを理解して全体像を把握しながら作業をしていくことが必要になります。
あらかじめ、会議の内容などをテープ起こしすることがわかっているのであれば、文字起こしをする人間がその場にいることが望ましいと言えるでしょう。
内容を把握しているので、不明単語や聞き逃しなどを最小限に減らすことができるからです。
 
実際に文字起こしをされたことがある方はわかると思いますが、不明単語や聴き取れない箇所が出てくるともう一度その部分を聞かなければならなくなってしまいます。
そこに割く時間を減らすためにも、録音現場の状況を知っておくということは大切になってきます。
 
 
⑤事前に資料を用意しておく
専門的な内容を扱っている会話データになると、よく意味が分からない単語が出てくることがしばしばあります。そのような場合、前もって当該音声の文字起こし用の資料を用意しておくといちいちインターネット等で調べる必要がなくなるので、スムーズに書き起こしを行うことができます。
そういった資料がある場合、文字起こしをする前に一度ざっくりと目を通しておくことをお勧めします。
 
 
以上がテープ起こしを自分たちで効率よくやっていく際のポイントになります。
他の記事でも書き起こしの効率化について掘り下げたものがあるので、余裕がある方は合わせて役立ててみてください。

テープ起こしを委託した場合

さて、文字起こし作業を効率化して自分たちでうまくやっていく方法を上げていきましたが、「テープ起こしを自分たちでやってみたけどやっぱり時間もかかるし結局余計な手間ばかり増えてしまった・・・」という方々も中にはいらっしゃることでしょう。
でも安心してください。そんな方達のために、文字起こし業者は存在しています。
 
文字起こしを業者などに依頼するということは、書き起こしのために使う膨大な時間を他の作業に回せるようになるということです。
音声データさえ送付してしまえばあとは送られてきたテキストを要約したり編集校正するだけで記事や記録文書が完成します。
本来文字起こしをする時間を有効に使うことができるようになるのです。
 
ではテープ起こしを業者などに委託した場合、テキスト完成までの納期はどのくらいかかるのでしょうか。
1〜2時間物の録音データをテープ起こし業者に依頼した場合、平均すると中5営業日ほどで納品されるようです。テープの長さによっては納期をもっと早めることもできますし、追加料金を支払えば納期を短縮してくれる特急サービスなどを提供している業者も少なくありません。
時間はそこまで気にしない、安くやれて自分で書き起こしをする手間が省けるんだったらそれでいい、という方であればゆとりを持った納期で業者に依頼すればコストを抑えることもできます。
 
当然のことですが、自分で文字起こしをするのではなく業者に文字起こしを依頼すると費用はかかってしまいます。しかし、自分でやる手間や負担、そこに割く時間を減らすことができ、さらにプロに依頼することでクオリティーの高いテキストを作成できるのです。

まとめ

何度も言うようですがテープ起こしには相当な時間を要する作業です。
集中力を必要とし、長時間同じような体勢での作業になるので、心身ともに疲労してしまいます。しかし、リライターとして一本原稿を上げた時はかなりの達成感があることもまた事実です。
 
実際、インタビューからライター仕事まで一貫してされている方の中には「私は絶対にテープ起こしは外注しません」という方もいらっしゃります。
文字起こしの作業がかなりの重労働であるということを理解しているはずの彼らが、なぜ外注しないのでしょうか。
彼らがいうには、テープ起こしは非常にいい勉強になるのだそうです。彼らはインタビューを録音してきて、自分の手で記事に書き起こしていきます。つまり、その時の会話を反復することになるのです。自分自身で書き起こすことによって自分のインタビューの失敗点や足りなかったところを再発見できるのです。
 
時は金なり、タイムイズマネーとは昔から言いますがまさにその通りで、自分の時間というものは実に貴重で大事に使わなければなりません。
ましてや「働く」ということにおいては限られた時間をどう有効に使っていくかということが大切なキーになってきます。
 
与えられた時間をどう使っていくのか。
作業を進めていく上での選択肢としてテープ起こしを利用するということも考えてみてはいかがでしょうか。

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